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【閑話休題】映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」

【閑話休題】映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」

2023年01月25日
新しくWEB担当になられた方に(コラム)
  • #映画

ドキュメンタリー映画が上映中
年末年始と「閑話休題」が続いていて、「こんなに頻繁だったら『閑話休題』ではないじゃん?」状態ですが、今回もWEBとは違うお話をします。というのも、1月13日に封切られたドキュメンタリー映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」がすごく良かったからです!! 上映期間が終わらないうちに皆さんにも観ていただけたらな〜と思っています(1月25日現在、まだ上映しています)。しかし、池袋では上映はなく、私は日比谷まで観に行きました。朝イチの上映にもかかわらず、満員。Filmarksでは初日満足度ランキング第1位(https://filmaga.filmarks.com/articles/215522/)
を獲得しています。

映画のポスター

映画音楽といえば、ニーノ・ロータ、ジョン・ウイリアムズ、エンニオ・モリコーネが「三大映画音楽家」だと思っています。モリコーネの作品はジュゼッペ・トルナトーレ監督の「ニュー・シネマ・パラダイス」、セルジオ・レオーネ監督の「夕陽のガンマン」、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」などが代表作。音楽だけでもよく流れていて、耳にしたら「あ、知ってる!」ってきっと思っていただけると思います。

今回封切りされたドキュメンタリー映画はジュゼッペ・トルナトーレが監督し、本人へのインタビューと、クエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、オリバー・ストーンなどそうそうたる顔ぶれの監督や音楽家へのインタビューで構成されています。映画音楽の存在と意義を「芸術」の域にまで一気に引き上げた功労者であるモリコーネの生い立ちや音楽活動を、要所々々に入れた映画本編が際立たせます。91歳で亡くなるまで生涯現役だったモリコーネ。なんと500作品以上もあるそうですよ。脚本を読んで音楽を生み出し、映画をさらに魅力的に彩る才能は、「天才」以外の言葉では表現できないかも。

モリコーネとの出会い
私がモリコーネの音楽と出会ったのは、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の「海の上のピアニスト」(1998年)です。赤ん坊のときに船の上に置き去りにされ生涯を船の上で過ごした「1900 (ナインティーン・ハンドレッド)」という名前の男性の物語。ピアノを覚えて船の上で音楽を奏でるのですが、乗客の女性に恋をして作った曲がせつなくて、そのときモリコーネの名前を知りました。

すぐに沼に落ちてしまう私はそれからモリコーネが関わった映画を観倒していって(でも、日本で観れるものはごく一部)、「ニュー・シネマ・パラダイス」や「ラ・カリッファ(日本未公開)」、「ミッション」などの音楽に浸っていったのですが、中でもお勧めなのはリチャード・ギア主演の「天国の日々」(1978年)です。音楽も良かったけれど、映像が美しくて…。まだ若いリチャード・ギアもかっこ良かった!

そしてモリコーネは、2003年にはNHK大河ドラマ「武蔵MUSASHI」の劇伴を手掛けて、2004年に来日されました。もちろん私もモリコーネが指揮をするコンサートに行ったのですが、当時の首相、小泉純一郎氏もモリコーネのファンで会場にいらしてて、「私の大好きなモリコーネ・ミュージック〜小泉純一郎選曲チャリティ・アルバム」というCDを編集して販売されたのを覚えています。

チェロや歌声でのモリコーネ
2004年にはチェリスト、ヨー・ヨー・マがモリコーネとタッグを組んで、「ヨーヨー・マ プレイズ・モリコーネ」というアルバムを出しています。これは、私のベスト・アルバムの1枚ですね。初回盤にはDVDが付いていて、映像でお二人が音楽に取り組む姿を観られるので、これから入手する方はぜひ初回盤を。映画「ミッション」の「ガブリエルのオーボエ」は、映画と同じオーボエの演奏も素敵ですが、チェロもなかなかいいんです。チェロを聴いていると「音楽に酔う」って感じです。

ドキュメンタリー映画を観ていて発見したのは、アントニオ・タブッキの小説「供述によるとペレイラは」(この小説、面白いのでオススメです!白水社から出ています)が映画化されていて、モリコーネが音楽を担当しているということ。しかも!マルチェロ・マストロヤンニが主演!!!(しか〜し、調べてみたら日本では上映されていなくて、Amazon Primeでのイタリア語バージョンしか観れない…。イタリア語わからん…)それから、古いイタリア映画の「にがい米」(1949年)の音楽は、モリコーネの師匠ペトラッシが担当だったということも発見(もっかい観よう)。

モリコーネ熱が再燃していろいろ調べていたら、2021年にイタリアのヴォーカルトリオIL VOLOが「IL VOLO SINGS MORRICONE」というアルバムを出していました。モリコーネの映画音楽では女性の歌唱はよくあるのですが、男性の声でどういうふうに歌われているのか興味津々で、早速入手し聴いてみたところ、楽器の演奏だけとは違う、重厚な声がまた違う雰囲気を醸し出していました。特に「ガブリエルのオーボエ(歌曲では「ネッラ・ファンタジア」という曲名になる)」は、素敵です!

モリコーネのCD

と、モリコーネについて話出したら止まらないので、きょうはこの辺で。映画、まだ上映中でしたら、ぜひご覧ください!

公式サイトはこちらです。(https://gaga.ne.jp/ennio/

二代目カープ女子

二代目カープ女子

長年編集に携わってきました。紙、Web、媒体は何であれ、コンテンツをどのように料理するか考えるのが好きです。 カープ大好きおばさん。球場で応援するのが、最大のストレス解消方法!

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