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雑司が谷七福神めぐり

雑司が谷七福神めぐり

2023年03月22日
池袋ものがたり
  • #池袋

全国各地にある「七福神めぐり」。七福神の神様たちはインドや中国からやってきて室町時代の末期には揃っていたそうですが、江戸時代の初めに、徳川家康に仕えた上野・寛永寺の天海僧正が経典の「七難即滅」、「七福即生」にもとづいて、日常生活を平和に暮らす教えを七福神で説いた頃から信仰が高まったとされています。

七福神のご利益、ご存知ですか? 寿老人の長寿、大黒天の五穀豊穣、福禄寿の健康、恵比寿の商売繁盛、弁財天の芸術・学問成就、毘沙門天の厄除け、布袋様の円満だそうです。

東京では、23区内だけでも25コースあるそうですよ?! 私はかつて「新宿山の手七福神」は回ったことがありますが(テレビドラマ「拝啓、父上様」で知って、行ってみた)、雑司が谷にもあるので(実は2011年にできた新しいコース)、回ってみました。

地図

(1)吉祥天(清土鬼子母神)
出発は文京区の護国寺からです。1681(元和元)年に、五代将軍徳川綱吉が母である桂昌院のために創建したといわれる大きなお寺です。この近くに「清土鬼子母神」という小さなお社があります。ここは「鬼子母神」の像が見つかった場所で、10月のお会式(日蓮上人の法要)では、ここから鬼子母神様まで万灯行列を繰り出します。清土鬼子母神には鬼子母神を母に持つ「吉祥天様」がいらっしゃいました。

一般的には「寿老人」なのですが、雑司が谷七福神では「吉祥天」なのだそうです。福徳安楽を与え、仏法を護持する天女でもあります。

(2)毘沙門天(清立院)
雨乞いの神様がいらっしゃるという清立院には毘沙門天様が祀られていました。甲冑をつけ槍を持った姿は昔から武将たちに愛されたインドの戦勝の神様ですが、左手の宝塔は人びとに福徳を与える優しさを持ち合わせています。

(3)恵比寿神(大鳥神社)
七福神の中でも日本古来の唯一の神様で、イザナギ・イザナミの御子です。鯛と釣り竿を持った姿は「釣りして網せず」ということで、暴利を貪らない清い心をしていると言われ、商売繁昌の神として愛されています。

(4)大黒天(鬼子母神)
鬼子母神様の境内にいらっしゃる大黒天様はもともとヒンドゥー教のシヴァ神で、これが仏教に取り入れられたものです。袋を背負っているのは、大国主が日本神話で最初に登場する因幡の白兎の説話において、八十神たちの荷物を入れた袋を持っていたためだとか。五穀豊穣の神様として知られています。

(5)弁財天(観静院)
法明寺の境内横に観静院があり、そこに弁財天様がいらっしゃいます。ヒンドゥー教の女神・サラスヴァティーで、ヴィーナと呼ばれる琵琶に似た弦楽器を持っています。 「弁才天」と書いて、才能をもたらす神様でもありますが、日本では「弁財天」と書いて、財宝の神様としての信仰が集まっています。

(6)布袋尊(中野ビル)
東通りの脇にある、にこにことした像です。中国は唐の時代から実際にいた僧といわれ、肥満の体は広い度量や円満な人格、また富貴繁栄をつかさどるものと考えられ、所持品である袋は「堪忍袋」とも見なされています。福の神ですね。

(7)華福禄壽(仙行寺)
道教で強く希求される3種の願い、すなわち幸福、封禄(財産)、長寿の三徳を具現化したもの。雑司が谷の華福禄壽(はなのふくろくじゅ)様は、とても小さくて可愛らしいです。お寺の中には「池袋大仏様」もいらっしゃいますよ。

雑司が谷七福神

七福神のある場所にはスタンプも置かれていて、雑司が谷案内処に売っている色紙でスタンプラリーもできます。私も集めてみました。

御朱印

インドや中国から来た神様も含めてたくさんの神様がいらっしゃることはとても日本的だなぁと思います。七福神の信仰(というほど大げさなものでもありませんが)は、「多様性」を認められる素地になるのでは? 世界がキナ臭い今だから、日本にできることがあるのでは?と思って、神様たちに「平和」をお願いしてきました。

二代目カープ女子

二代目カープ女子

長年編集に携わってきました。紙、Web、媒体は何であれ、コンテンツをどのように料理するか考えるのが好きです。 カープ大好きおばさん。球場で応援するのが、最大のストレス解消方法!

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