上毛印刷株式会社

第4回 余談:MacでDTPが始まった頃

第4回 余談:MacでDTPが始まった頃

2023年11月29日
編集のはなし
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すみません、昔話です。

DTP黎明期に
私が1993年に初めてさわったMacintoshは、「IIfx(ツーエフエックス)」。「1990年3月から1992年4月までApple Computerが設計・製造・販売していたパーソナルコンピュータ」(wikiより)です。それまで印刷物は、紙の写植(「写真植字」のこと。写真の原理を用いて文字を印画紙に焼き付けて現像する方法)を使って版下(はんした:これをフィルムに製版して、アルミの板に刷版して印刷機にかける)を作ったり、電算写植で組版をしていました。「Macという黒船がやってきて、紙の版下はなくなり、すべてデジタルになる!」という噂が広がり、「Macって何だろう? さわってみたいけど、Macは100万円くらいするし、学校の講義料は高いし、どうしたらいい?」と思っていたところに、「Macオペレーター募集」という求人を見つけ、「ブラインドタッチができればOK(当時Macの経験者はまだいなかったため)」とのことだったので、応募し採用されたのです。前職でNECの98シリーズのパソコンを使っていてブラインドタッチができるのが幸いしました。

小さな印刷会社でしたが、社長の息子さんが「これからはDTP(デスク・トップ・パブリッシング)だ!」と息まいていて、Macやスキャナーがずらりと並んでいました。「Quadra(クアドラ)」という100万円を超えるマシンもありました。でも、コンピュータオタクさんはいても、組版がわかる人がいなかったので、私はオタクさんに組版を教え、オタクさんからはMacを教えてもらって旅行ガイドブックのDTPを行うという仕事をしました。PhotoshopやIllustrator(まだVer.1だった)の基本はここで覚えました。旅行ガイドブックには辞書にはない人名も出てきて「Fontographer」というソフトで外字を作ったり、2万5千分の1の地図のトレースをしたり「お給料をもらいながらMacを覚えられたラッキーな職場」でした。

当時のPCはスクリーンセーバー(After Dark)がないとモニターが焼き付くので、羽の生えたトースターがモニターの中をバタバタ飛んでいましたよ。

それにCPUもグラフィックメモリも貧弱(今に比べれば)だったので、重いデータだとPhotoshopで1ピクセル動かしただけで、30分くらい待つ感じでした。

Power Mac

初めて買ったのは「Power Mac」
その後、Macintosh LC II、Performa、Macintosh LC 520とかを経て、やっと自分のMacを買えたのは、「Power Macintosh 7100」です。OSは当時「漢字Talk7」。NANAO(現:EIZO)の17インチモニターも買って、家の押し入れの上の段にラックを入れ、プリンター、スキャナー、MOドライブなどをWindows95(周辺機器はMacと併用…シリアルポートとパラレルポートで使い分け。そうそうSCSI(スカジー)というインターフェースでしたよ?)、デジタルカメラはオリンパスの40万画素のもの、と、まるでオフィスの一角でした(残業ができなかったので、家にデータを持ち帰って作業するため)。

デジタルカメラ

面白かったのは、同じIllustratorのデータなのに、Macからプリンター出力すると正円になり、Windowsから出力すると20角形になることです。同じプリンターから出力しているのにね。当時は、Windowsは「Macのマネをしたまどまど星人」と揶揄され(「おしりかじり虫」の作者、うるまでるびさんの「まどまど星人」の漫画がウケていた)、解像度も低ければ、色の再現性も低くてDTPには使い物になりませんでした。でも原稿はWordやExcelで届くので、Windowsがないと仕事にはならず、Macと両方必要だったのです(それは今もですね)。

その後、「Power Macintosh 7100」のマザーボードを「8100」のに入れ替えたり、メモリを増設したり、G4を買ったり、しばらくパソコンで遊んでいましたが、残業ができるようになってからは家で作業をすることがなくなり、自宅はWindowsノートだけになっています。そうそう、MacはApple社だけが製造していて互換機がないという印象が強いですが、1997年にアキアという会社から互換機を出したことがあるのですよ。当時勤めていた会社で買った記憶があります。

DTPで変わった工程
DTPが始まってからは、私はまず割り付けありきで編集するようになりました。初めに企画に基づいたレイアウトをIllustratorで描くのです。そこから文字数を決定し、取材をして原稿を書き、イラスト(下書き)を起こし、デザイナーに原稿を渡してデザインをしていただくという方法です。お客様とできあがりイメージの共有がしやすいのと、物事が早く進むため、こういう方法を取っています。DTPになって便利になったな〜(しかし、校正が何回も求められるようになってしまいましたが)と思います。

二代目カープ女子

二代目カープ女子

長年編集に携わってきました。紙、Web、媒体は何であれ、コンテンツをどのように料理するか考えるのが好きです。 カープ大好きおばさん。球場で応援するのが、最大のストレス解消方法!


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