印刷つれづれ:第13回 戦争のプロパガンダを担う
2025年12月03日
印刷つれづれ
- #印刷
国民の戦意を高揚させるため
もうすぐ、12月8日ですね。太平洋戦争が始まったのが、1941年(昭和16年)12月8日ですから、84年前の出来事となります。
当時、「欲しがりません勝つまでは」「ぜいたくは敵だ」などのポスターが町中に貼られていたことは、皆さんご存知だと思います。戦後、新聞社が戦中の報道について反省したように、戦争中は戦争を肯定する印刷物しか作ることができませんでした。
印刷物が、国民の戦意高揚をけしかけたのは言うまでもありません。
中でもグラフ誌『FRONT(フロント)』は、一流の写真家やデザイナーが関わり、戦争の負の遺産ではありますがグラフィック的には大変すぐれたグラフ誌でした。「『FRONT』は、第二次世界大戦中の1942年(昭和17年)から1945年(昭和20年)にかけて、10冊が出版(刊行9冊)された大日本帝国の対外宣伝(プロパガンダ)グラフ雑誌(グラフ誌)。発行・出版元は東方社。雑誌名『FRONT』は戦線の意。」(Wikipediaより)
![]()
戦時体制の強化に絶大な効力発揮
インターネットもない時代は印刷物は情報伝達に大きな力を持っていました。「大東亜戦争記録画報」では、うその戦果を報道したり、ヒトラーを称えたりしていました。それがどんな結果をもたらしたかは歴史が語っていますね。
![]()
戦後は、報道や印刷物が誤った情報を伝えることのないように、かつ検閲などが行われないようにするために努力が行われています。