上毛印刷株式会社

第19回 発行後の作業も大事

第19回 発行後の作業も大事

2024年11月13日
編集のはなし
  • #編集

根拠を明らかにしておく
企画を練っているとき、それはそれはそれなりの資料にあたります。書籍だったり、新聞だったり、雑誌だったり、WEBだったり…。取材のときは録音もします。いろんな資料をあちこちから眺めて(ときには間違った記述もあるので、ひとつだけの資料で文章を書かない)、事実関係を明らかにしていきます。そして、記事を書くときは、何を参考にしたかをきちんとメモしておきます。後で、原稿を確認するときに、「何を根拠にこういう記述をしたのか」が確認できるようにするためです。ときにはお客様から質問が来て、「これって本当ですか?」と尋ねられ、「◯◯という書籍でこのように記述されています」と説明をすることもあります。

なので、1号出すたびに資料が山積みになり(発行後しばらくは問合せにも対応できるよう残しておく)、次号の資料も加わって資料が机の上で雪崩を起こしそうになります。一定期間過ぎたら処分するのですが(デジタル化して保存しておくものもある)、愛着が湧いていつまでも処分できない資料もあり(目の前から消えると忘れてしまうし、処分したら急に必要になることもあって)、「断捨離」は常に課題です。

資料の山

資料にあたっていると、ときどき資料そのものに間違いを見つけます。「数字の記載間違い(「8」と「6」が間違っているとか)」とか、似たような漢字「信六郎」と「信太郎」が混在していたり…。自分自身も間違いをしない人間ではないので、「ひとつのエピソード」としてクスッと笑っておしまいにしますが。本当に編集の仕事は相田みつを。「人間だもの」と思うことがしばしばです。

記憶だけで仕事はしない
企画を進めながら、発行したら掲載誌を送る方、原稿料をお支払いする方のリストも作っていきます。終わった後まとめてリスト化しようとすると、漏れが生じることがあるからです。他の人の手を借りたときは、社内であっても「作業伝票」は作っておき、それぞれの金額も記入していきます。それらも含めての「予算」です。そして、最後に「今号の発行のためにかかった予算」を一覧にします。すると、次回の企画の予算取りの目安になるし、外注に出すときの基準にもなります。毎回支払い額が変わるようでは信頼もなくしますしね。「記憶だけで仕事はしない」は鉄則です。

また、1年に1回の編集、というお仕事もあります。編集中いろいろあっても1年後まで記憶しておく自信はないので、「覚書」を作っておいて、「今回はこういう理由でこういう作業をした」と残しておきます。翌年、作業に入る前にその「覚書」を見直すと、記憶が蘇ってくるのです。ホームページを作るときは、HTMLのソースの中にコメントアウトで、「いつ何のためにこのコードを書いた」という記録を残したりもします。たまにきれいなサイトを見て、どうやって作ってるのかな?とソースコードを見るとき、こういうコメントを残しているサイトだと「しごでき」と思っちゃいます。(私はどっちかというと、「やりっぱなし」タイプなので、ソースは見られたくないかも)。

片付け方にも個性が出ますよね。「その人のやり方」でいいと私は思っているので(自分を正当化するため、とも言える)、一番やりやすい方法でデータや書類を片付けておくと良いと思います。

二代目カープ女子

二代目カープ女子

長年編集に携わってきました。紙、Web、媒体は何であれ、コンテンツをどのように料理するか考えるのが好きです。 カープ大好きおばさん。球場で応援するのが、最大のストレス解消方法!

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