上毛印刷株式会社

第16回 校正・校閲をしっかりと(1)

第16回 校正・校閲をしっかりと(1)

2024年08月21日
編集のはなし
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「校正」と「校閲」の違い
さて、ゲラがあがってきたら、「校正」を行います。紙でもWEBでも、ムービーでも同じです。文字が誤っていたら恥ずかしいですものね。「校正」も「校閲」も「文章を見て、間違いを正す作業」ですが、「校正」は原稿と照らし合わせて、異なっている箇所の指摘や文字の誤り、脱字などに対して修正を行なうのに対して、「校閲」は文章の内容が事実と異なっていないかを精査する作業が中心となります。

少し前に「校閲ガール」というテレビドラマがありましたよね。石原さとみちゃん扮する女性社員が憧れのファッション誌編集部に配属されず、校閲部に配属されたことから始まる物語です。その中で、事実を確かめるために現地にまで足を運ぶ場面がありました。「そこまでするんだ!?」というのが正直な感想でした。

「校正」は疑ってかかる
私は仕事上では「校正」までが守備範囲で、「校閲」となると、専門家に依頼することがほとんどです。

「校正」では、
①できあがったゲラを原稿と突き合わせて、 原稿と異なる部分はないかチェックする。
②原稿そのものに誤字・脱字がある場合があるので、それがないかチェックする。
③用字用語のルールに基づいて用語の統一を行う。署名原稿の場合は、付箋を付けて、「用語の統一をしなくていいでしょうか?」という疑問を著者に戻す。
④素読みをして、文法的に間違っていないか確認する。
を、行います。

とにかく「絶対どこか間違いがあるはず」という気持ちでチェックします。全てを疑ってかかるのです。でないと、する〜と誤字を見逃してしまうんですよね。目に入れているのに、脳がスルーするのです。

ちなみに私は、前々回に紹介したように、「三省堂国語辞典(広島東洋カープ仕様!)」と「記者ハンドブック」を使って校正しています。「広島東洋カープ仕様の辞書」は、たとえば「あか【赤】(名)①色の一つ。血や火の色。カープのチームカラー。「―一色に染まったスタンド・―ヘル」」(実際に赤字で記されています)など、カープファンの心をくすぐる解説が辞書のあちこちに散りばめられていて、辞書を引くのが楽しくなります。この辞書を買ったときは「こんな辞書で校正していていいのかな?」と思ったりもしましたが、どこだかの校閲部さんが「阪神タイガース仕様」を使われているのを知って、今は胸を張ってカープ仕様の辞書を使っています。

 

国語辞典

 

二代目カープ女子

二代目カープ女子

長年編集に携わってきました。紙、Web、媒体は何であれ、コンテンツをどのように料理するか考えるのが好きです。 カープ大好きおばさん。球場で応援するのが、最大のストレス解消方法!

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