池袋ものがたり:今年もお会式(おえしき)!
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雑司が谷のお会式は地域のお祭り
2024年8月24日(土)、豊島区の地域文化創造館5館協働事業として「雑司が谷のお会式(おえしき)を知る」というレクチャーが行われたので、参加してきました。今年は、お会式連合会ができて50年だそうです。コロナ禍で4年間、開催が中断していましたが、少しずつ開かれ始め、昨年から以前と同じコースで開催されています。
お時間のある方、ぜひ観に来てください。
2024年10月17日(木)清土鬼子母神〜鬼子母神〜法明寺コース 2024年10月18日(金)池袋西武前〜鬼子母神〜法明寺コース |
(一番下に地図があります)
「お会式」は、正式名称を「御報恩会式」と言って、本来は宗派に関わらず祖師の命日に行う法会を指していました。日蓮宗では特に開祖である日蓮聖人への信仰が篤く、日蓮宗のお会式では盛大に日蓮聖人を弔ったことから、「お会式」というと日蓮宗の宗教行事のように言われています。
そもそも日蓮上人の法要なので、他の地域のお会式は「日蓮宗の宗教行事」となっているそうですが、雑司が谷はちょっと異色で、「地域のお祭り」になっています。それは、江戸中期に神田日本橋の万灯練供養を見た雑司が谷の若者たちが隣組の仲間たちを集めて「面白そうだから俺たちもやってみよう」と見よう見まねで始めたからだそうです。それで宗教を問わずカーニバルのようになっているのです。衣装(ももひき・ダボシャツ・半纏)や太鼓の叩き方も神田のものを真似たのではと考えられています。
開催日は毎年10月16日、17日、18日
日蓮上人が入滅されたのが10月13日なので、法明寺では毎年10月13日に法会が行われます。そして、10月16日〜18日に、万灯練供養が開催されます。16日は各講がその町内を回り、17日は鬼子母神像が発見されたといわれる清土鬼子母神からの練供養、18日は池袋駅前(西武前)からの練供養が行われます。18日には遠方から日蓮宗の講社が参加するので、行列は延々と続きます。現在は日付が変わる前には終わりますが、昔は朝4時頃まで太鼓を叩いていたとか。
地元の中学校はお会式の前に中間試験が終わるようになっていて、学校ではお会式が近づくと「今年はどこで太鼓を叩く?」「◯◯の講は、お菓子がいっぱいもらえるよ」「俺はじいちゃんの講に参加する」などと話題になります。女の子たちはおそろいのシャツを作ってもらったり、当日は顔をペイントしたり入れ墨シールを貼ったりと、「おしゃれ」もします。
纏の回し方などは、地域のお年寄りが子どもたちに教えてくれ、世代を超えたつながりができるのもお会式の魅力。雑司が谷を離れた人たちも当日には戻ってきて、旧交を温めるのも楽しみのひとつです。昔ながらのコミュニティがこんな都会でも息づいているのですね。
お会式を支える連合会
実は連合会があるのは全国でも雑司が谷だけ。連合会には現在20の講が参加しており、町会が母体の講もあるとか。コロナ前は講を中心に5,000人もの人が集まっていましたが、コロナを経て去年は2,300人と半分以下となっています。「なんとか参加者数を戻したい」と、今年はレクチャーや太鼓ワークショップが開かれました。レクチャーとワークショップに参加した人は、本番で太鼓を叩けるそうです。地元に住んでないとなかなか参加する機会はないですから、今後もこうしたワークショップを通じて、遠方から来た方も太鼓が叩けるようになるといいですね。