第11回 クッキーって何だ?
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ユーザーの行動を追跡する仕組み
ホームページを閲覧していて、「どうして自分の欲しい商品の広告ばかり出てくるんだろう?」と不思議に思ったことはありませんか? それは、WEBサイトを閲覧したときに、訪れたサイトや入力したデータ、利用環境などの情報が記録されるという仕組み、Cookie(クッキー)があるからです。
情報が記録されているので、2度目にサイトを訪れてもすでにログインされている、商品を購入する際に住所などの入力を省くことができるといった利点があります。
けれども複数の人が使うPCなどで、ログイン情報が保存されているのは困りますね(Cookieはユーザーのパソコン内に格納されるので、ブラウザから自分で削除することができます)。
また、Cookieから取得した情報とその他の情報を照合することによって個人を識別することができるため、Cookieを使って不正に個人を特定しようとする動きが増えてきているという現状もあります。
Cookieには2種類ある
Cookieには、Cookieが訪れたファーストパーティのサイトから直接発行されるCookieと、第三者のドメインから発行されユーザーの追跡を横断して行うサードパーティのCookieがあります。
例えば「洋服関係のサイトを訪れた後、他サイトを閲覧してもその洋服の広告が表示された」という場合は、サードパーティCookieの機能によるものです。
サードパーティCookieは、第三者がユーザーの行動を横断的に追跡するという点と、サードパーティCookieを利用することで多くのデータを紐付けることができるという点で、プライバシーの観点から問題視されていました。
これらの理由から、多くのブラウザがサードパーティCookieのサポートを廃止する方向で動いています。
最近見かけませんか?
ホームページにアクセスしたときに、下部にポップアップが出て、「Cookieへの同意」を求められたことはありませんか? このように「Cookie使用同意を求めるポップアップ」を掲示することでCookieに関するトラブルを防ぐことが注目を集め始めています。ポップアップには必ず「プライバシーポリシー」や「クッキーの詳細設定」についてのリンクが張られていて、それを読んだ上での「OK」を求められています。
実は、欧州ではほとんどのサイトで「Cookie使用」について同意を求めるポップアップが実装されています。背景としては、EUで2018年5月にGDPR(EU一般データ保護規則)というEUにおける個人データ保護に関する法律で、Cookie(個人情報)の利用に同意を求める要件が厳格化したからです。なのでその法律に対応できなくて、日本のサイトで「欧州からは見れない」としたものも出ています。
日本でも「企業がCookieを使用することは『個人情報の侵害』に該当するのではないか」という議論が数年前から行われ始め、「Cookie使用同意を求めるポップアップ」を搭載するサイトが増えてきました。上毛印刷ホームページも搭載しています。
[上毛印刷ホームページでの「Cookieへの同意」画面]
皆さんがホームページを作成するときに、この「Cookieポリシー」をどうするかについてもぜひお考え下さい。